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リトル・イングリッシュ

更新日:2025年7月17日

下記は、ビッグバンセオリーのシーズン3、エピソード10 The Gorilla Experiment(邦題:ゴリラ・プロジェクトの法則)のあるシーンの引用です。あらすじは省略しますが、ヒロインで凡才の Penny が天才の Sheldon に、とある目的、具体的には、別の天才物理学者で恋人の Leonard と仕事(研究)の話をするために、「リトル・フィジックス(かんたんな物理)」を教えてくれと頼むシーンです。


Penny: Okay, so here’s the thing, I was wondering if you could maybe teach me a little physics?

(OK、そこで話なんだけど、「リトル・フィジックス」を教えてくれない?)


Sheldon: A little physics? There’s no such thing. Physics encompasses the entire universe, from quantum particles to supernovas, from spinning electrons to spinning galaxies.

(リトル・フィジックス?そんなのはない、物理は量子粒子から超新星、電子の回転から銀河の回転をカバーするものだ)


そして僕は、Penny がリトル・フィジックスを教えてほしいと考えるように、世の中の多くの英語学習者も「リトル・イングリッシュ」を探してさまよっているように感じます。今回はこのアナロジーについてざっくばらんに説明します。


英語学習で取捨選択したがる人たち

たとえば、今は中学英語ブームで、書店には、「中学英語」というキーワードを使った大人向けの学び直し教材が数多く陳列されています。要点をかいつまんで要領よく学びたいという「大人」からのニーズを反映しているのだろうな、と僕は考えています。


ただ、「中学英語」というのは、理解できる能力にある程度制限のある中学生のために構築された、きわめて特殊な英語です。なにせ、仮定法がない、過去完了がない、分詞はあるけど受動態などの一部の用途でしか使ってはいけないなど、数多くの条件、縛りがあります。端的に言ってしまうと、中学英語はふつうではありません。


そのような英語を「大の大人」が好んで学ぼうとするのは個人的にちょっと変だなと感じていて、というのも、大人であれば、(中学生とは異なり)難しくて理解できない、という状況にはならないはずであるからです。繰り返しですが中学英語には特殊な事情に由来する縛りがあり、そのため、中学英語=英語の基礎、とはなりません。


取捨選択はいらない、「ふつうの英語」を学ぶべき

ここまでで、大人にとっての中学英語(=リトル・イングリッシュ)は単なる縛りプレイであり、ふつうに学ぶスタイルよりも制限のかかる手法であることを説明しました。そして、縛りのない「ふつうの英語」を学びたいと考える人は多くありません。


そのような状況を踏まえての僕のメッセージはきわめて明快で、「中学英語にこだわる必要はまったくないのだから、もっと縛りのない自由な、ふつうの英語」にふれるべきというものです。情報の取捨選択をせず、触れたものすべての力を吸収するゴドリック・グリフィンドールの剣のように、柔軟に、自由に学ぶべきです。


さいごに

Penny は、目先の目標達成のために、「手短にできる」、「要点をかいつまんだ」説明を求めていますが、これはまさに、短期間で英語学習の成果を出したいと考え、リトル・イングリッシュを求めてさまよいあるく人たちに似ています。


また、現代人は誰もがネットで、供給過多といえるレベルで情報を摂取していると思うのですが、なぜか英語になると、簡単なとこだけ、要点だけを選んでフィルタリングしようという謎の思考が働きます。ふだんネットを楽しんでいるときと同じように、取捨選択をせずに英語に触れるのが、ふつうの英語のスタイルです。

 
 
 

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