多言語対応の難しさ
- 蒼太 丸山
- 2024年10月2日
- 読了時間: 2分
多言語対応とは、異なる複数の言語スピーカーを同時にターゲットにして同じ便益を提供することです。多言語対応でより大きなパイをターゲットにできるわけですから、多言語対応にはビジネス上の大きな利点があります。
そして、多言語対応は単にいろんな言語で文字を読めるようにすることではありません。この記事では、多言語対応は難しく、そうとうの工夫が求められることを説明します。
Google は多言語対応に成功している
たとえば、ほぼすべての日本人が Google のサービス(Google 検索、Gmail など)を日常的に使用していると思いますが、ご存じのように Google は米国のサービスです。そして、日本人専用に用意されたサービスがあるわけではなく、(データセンターの場所などの細かい話を抜きにすれば)、日本人は海外のサービスとしての Google を毎日のように使っていることになります。
ポイントは、日本人のユーザーでも特に違和感を持つことなく、米国のサービスを利用できる状態になっている、ということです。これが多言語対応の最終目標であり、Google は多言語対応に成功しているといえます。複数の言語スピーカーが同じサービスや商品にうまく溶け込めるようにしている、と言い換えてもよいと思います。
メニューの英語表記は多言語対応なのか
レストランのメニューにその国の母語と英語が併記してあることがありますが、これは多言語対応であるとはいえません。たとえば:
雰囲気が明らかにローカルで、とても外国人向けとは思えない
決済方法も現地通貨しかない
話しかけても英語が伝わらない
という状況である場合、現地の人と外国人が「同じ」体験を得られるとは到底いえません。この場合、言語スピーカー間で得られる便益に差が出ており、現地の人が最も便益を享受できるようになっています。
他の例として、駅に設置された自動翻訳による対応サービス、機械翻訳APIによる行政ホームページの自称多言語対応なども、同じ理由で多言語対応であるとはいえません。これらはいうなればベストエフォート型の多言語対応であり、「できるだけ現地の人と同じ便益を提供できるように頑張ります」という、目標未達の状態です。
さいごに
このようにすれば多言語対応になりますよ、という正解があるわけではありません。相手の国の文化的、地理的、経済的背景や心理的障壁、その他諸々を加味する必要性があり、これが、冒頭で述べた、「そうとう難しい」理由になっています。






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